ちょくちょく「どうして絶縁せずにいられるのですか?」と聞かれますので、私がどのように毒親とお付き合いをしているかをまとめておきます。
関連記事 母を人格障害だと考えている理由
関連記事 ACを脱却したのに、私が毒親と絶縁していない理由
毒親を変えようとは思わない
あなたは毒親から「お前の性格が問題だから変えろ」と言われて、すっと変える気になりますか?
あるいは、あなた自身の性格を「こう変えよう」と思って一瞬で切り替えることはできましたか?
自分を変えるだけでもものすごい時間と労力を要します。
人を変えようなんて、当人がそうしたいと思っていなければ基本的に無理なんです。
毒親は現状が嫌だとか愚痴っているかも知れませんが、それは愚痴っているだけで変える気なんてないのです。
自分が変わる気などないけれど、周囲には自分の都合に合わせて変わることを望んでいるのですね。
本当に変わる気があるのなら、私たちが自分の苦しみを調べてACにたどり着いたように、毒親だって今の時代ならたどり着けるはずなんです。
だから、もしあなたが親に「変わって欲しい」と望んでいるなら、その期待をまず手放すことをオススメします。
毒親の性質を理解する
毒親に優しくしろ、という意味ではありません。
対策を立てるために毒親の性質を知りましょうという話です。
うちの場合は境界性・演技性・自己愛性人格障害を抱えているのではないかと踏んでいます。
家族としてはぶつけられると大変きついものではあるのですが、パーソナリティ障害の性質である以上、うつ病同様「そういうものだからしょうがないもの」であって、母を責めたところで改善の見込みはありません。
母はパーソナリティ障害を受け入れることはないでしょうが、双極性障害とパニック症候群は受け入れており、自分に健忘があることも受け入れています。
厄介な人間ではありますが、友人や家族を大切にしたいとは思ってます。
それが自分より優先順位が低いというか、自己と他者の区別が付かないので、相手が自分と違うことを望んでいるときに拒絶されたと感じて反撃に出てしまったり、相手の望む距離感をとることができない人なのです。
本来なら親である母が子である私のことを理解すべきなのですが、それができない人だから関係が拗れているのですね。
できない人間にやれというより、できる人間がやる方が手っ取り早いので、「私こそ親に受け入れて欲しいのに…」という気持ちは我慢します。
なぜなら「絶縁せずにお付き合いをする」という選択は、私自身が決めたことですから。
嫌なら絶縁していいんですから。
物理的に距離を取る
これは自分の生活と安全を守るために、どんな対策よりも重要です。
実家にいたときは、突然部屋に入ってくる人だったので本当にプライバシーがありませんでした。
祖母が同じマンションに住んでいたときも、お互いにアポなし訪問していました。
それで私は実家からだと、高速使って30分、電車は50分程度の隣県で一人暮らしをしました。
会おうと思えばその日のうちに会うことが可能ですが、ふらっと行くには面倒な距離を考えると、それぐらいが丁度良かったんですね。
ところが意外なことに母が結構へたれでした。
兄弟は実家の隣町に住んだのですが、徒歩15分ぐらいの距離でも滅多に行きませんでした。
子どもが自分の思っているご近所に住むことを選ばなかったのが、結構ショックだったみたいです。
どれぐらいの距離を取るかは毒親の性質によると思います。
毒親の親戚付き合いや交友関係をもとに、どれぐらいの距離から面倒くさがるか判断できるかも知れません。
対策を打つ
さて、親の性質を理解した結果、周囲の人間を大事にしたいという気持ちがある過干渉型毒親なので、こちらが距離をコントロールすることで干渉を和らげれば、比較的うまくお付き合いできるだろうと感じました。
そこで一つずつ、時にはケンカもしながら、こちらが妥協できるボーダーラインを探っていきました。
母の抱える主だった問題と、その対処を列挙します。
双極性障害・パニック症候群の治療で改善したこと
Wikipediaより、該当項目
- 自尊心の肥大。
- 睡眠欲求の減少と不眠・睡眠過剰。
- 観念奔逸: 次から次へアイデア(思考)が浮かび、話題の途中で次々と話が飛ぶ。
- 抑うつ気分。
- 食欲の減退。
- 精神運動性の焦燥。
- 疲労感または意欲の減退。
- 無価値感、または過剰で不適切な罪責感。
- 思考力や集中力の減退、または、決断困難がほとんど毎日認められる。
- 死についての反復思考。
- パニック発作・予期不安・広場恐怖
心療内科にて薬を何度も変えてもらい、今はこのあたりの双極性障害に由来する母の問題点はかなり改善しています。
ただ、考えるのを鈍くする薬があることと、もともと母が規則正しい生活を送ることが苦手なので、薬を飲み忘れて悪化する日があります。
そこで、周囲にいる人間が食後の薬の服用を促すようにしています。
症状が出ていることに気付いた時も「薬のみ飛ばしてない?」と確認するようにしています。
薬が効くまでは、話を合わせつつ同意も否定もしないようにして、結論を出すことを延ばしてしのぎます。
病気による特性で思考が前のめりになっているので、薬が効くと落ち着きますし、病気の症状が出ていたときのことは「何故あんなに焦っていたのだろう」と言い出したりします。
話題が飛ぶ点は薬でもあまり改善しませんでした。
話題に付いていこうとしても、こちらの思考が追いつかずに混乱したり疲弊するだけです。
一通り語れば落ち着くので「それでさっきの○○の件の続きだけど」と話を戻します。
「話を戻すこと」に私の脳を費やさなければならないので、母が饒舌に話題を展開していくときは右から左の聞き専になっています。
慣れない内は本題の腰が折られることに疲れましたが、慣れて右から左に流せるようになったら時間をかけて進める方が楽でした。
周囲が受け入れることで改善したこと
- ・同一性障害…自己と他者を区別できない
・理想化と脱価値化との両極端を揺れ動く、不安定で激しい対人関係様式
・顕著な気分反応性による感情不安定性(2–3時間持続し、2–3日以上持続することはまれな強い気分変調) - 当人がコントロールできないものだと諦める。
こちらの意見は一貫する、拒否するときはあやふやな言葉を使わず明確に拒否する。
拒否するときも受け入れるときも、基本的にLINEなど文字で証拠が残るものでやりとりをする。 - ・慢性的な空虚感
・自分が重要であるという誇大な感覚
・特権意識 - 付き合わず、相手にせず、馬鹿にせず、右から左に受け流す。
- ・解離性健忘
- 当人にとっては身を守るために必要で忘れ去っているので、責めない、無理に思い出させない。
うちの場合は何年かしてから唐突に健忘のある出来事の話を振ってくるので、なるべく責めない表現を選んで事実のみを伝え、それで拒否反応を示さなかったなら「あのときこう感じて辛かったわ~」と軽く気持ちを打ち明けるようにしている。 - ・印象的だが中身のない話し方をする
・芝居がかったような演劇的な表現を行う - つっこみたくなるけど我慢。
ネタっぽいと思うとちょっと面白い。 - 他者を実際以上に親密とみなす
- やんわり釘を刺すが、あまり効果なし。
相手に面識があるなら、相手のほうに距離を自分でキープするよう促す。 - 対人関係で相手を不当に利用する
- 母に察知されないよう気をつけて関係者で連携を取り、事実確認と方針の決定・周知をしておく。
やりとりを記録しつつ、関係者全員で曖昧な返事は避けて拒否し続ける。 - ・しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む
・尊大で傲慢な行動、または態度 - やんわり釘を刺すが、あまり効果なし。
そのような人の相手をするのは母の魅力が損なわれる・品性が落ちる・バカの相手をするほうがバカだ・金持ち喧嘩せず、などという方向に話を持っていき、相手に攻撃させないようにしている。
飴と鞭を与える
自分の「これ以上は譲れない」ラインはきっちり守るのは、母にとって鞭にあたります。
なぜなら母の意向を拒否しているからです。
そこで「親子らしいお付き合い」という飴を与えていきます。
母の日や誕生日プレゼント。
「今生活厳しいからごめんね」「あーごめん、忙しくて忘れてた」
と一度習慣から外しました。
もちろん文句を言われましたが、「人に贈り物を催促するってすごく失礼だよね」ってイヤミを言ったら黙りました。
以降は、余裕がある年に「思い出したから」ときまぐれで贈るようにしました。
最近は素直にお礼を言うようになったので、「もうすぐ誕生日だけど、何か欲しいものある?」と聞くようになりました。
会う頻度が少ないと文句を言われたので
「○○さんは、息子さん年に○回しか来ないんだってね」「お母さんは恵まれてるね~」
とイヤミを言いました。
親との付き合いを絶たないことを飴と認識させるには、これぐらいの言葉を返せるぐらいは強くないと厳しいと思います。
受け入れることで楽になった
「ほとんどみよさんが我慢してるじゃない!」と感じた人もいるかも知れません。
しかし、我慢というのは「嫌だ」とか「理不尽だ」とか思っているんですね。
や、飴と鞭の項目の通り、母が怒り出さない範囲で私も結構言葉返してますんで、あんまり我慢してないんですけどねw
受け入れるというのは、例えば赤ちゃんが泣くのは仕事だと感じるように「それがその人にとっては当たり前のことなんだ」と思えるようになることなのです。
もちろん、分かっていても赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまうことがあるように、分かっていても母の言動にイライラしてしまうときはあります。
そこで、物理的な距離が役立ちます。
電話に出ない、居留守を使うなど、受け流せない時は接触しないようにしています。
受け入れられないこともある
人格障害の特徴のうち「不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難」に関しては、今でも理不尽で納得はできませんし、キツイです。
母の怒りをぶつけられたときは、とりあえず同じ部屋から退却します。
やり場のない気持ちはLINEの兄弟グループで愚痴り、フォローし合っています。
ただ、他の特徴を受け入れられたことで母と衝突することそのものが減り、母が双極性障害の薬を処方されたことで怒りの感情が幾分か出にくくはなっています。
これについては当人が精神科にかかって受け入れない限り、我慢するしかないと思っています。
まとめ
いかがでしょうか?
期待していたような解決法は出ていなかったんじゃないでしょうかw
常々言っていますが、誰かを変えることは無理です。
変えることができたと思っているなら、それは思い違いです。
当人が変わりたいと思っていて、変わる努力をしたタイミングで、たまたま接点があっただけなのです。
自分以外の人間に与えることができるのは、きっかけとヒント程度なのです。
これを読んでがっかりしたり、もしあなたの毒親が「子のことは一切自分より優先しない人」であるなら、絶縁を選んだ方がいいと思います。
やっぱりそうだよね~って思える人は、毒親とそれなりの距離でお付き合いできると思いますよ。
コメント